わたしのすきなひと: 同人作家編
私が同人誌即売会に初めて足を踏み入れたのは、大学2年の夏(1993年; Comiket 44)
のことでした。高校時代の友達を誘ってパトレイバー 2 the movie を観にいこうと
したら、その日はコミケがあるから一緒に行こう、と逆に誘われたのでした。いや、
出会いやきっかけなんてのはそこらへんに転がっていて、いつのまにかつまづていて
いるものなんですね。
以来夏コミはほぼ毎年欠かさず行くようになり、去年の冬(1998年冬; Comiket 55)
は冬コミにも初めて参加しました。修論が忙しいから、と実家への帰省を遅らせての
参加でした。といっても実家は横浜なのですぐ行けるのですが、なかなか 12/30 に
手伝いをほっぽり出すのが難しくて去年までは行けなかったのです。
そんな私が好きな同人作家さんを紹介します。他にも気に入ったサークルはあるの
ですが、創作ジャンルだけに絞ってあります。また1回しか本を買ったことがないサー
クルも、今のところ載せていません。そのうち自分の中で評価が落ち着いてきたら、
また紹介したいと思っています。東京大陸とか、MOON・HOUSE とか、この夏コミで初
めて買った、というサークルを紹介するのはちょっと気が早いかな、と思うので。
なお順番は基本的には思いついた順 + 本棚に並んでいた順です。
POW・VRANZ / katzmi MIZUKI Illustrations
- サークル POW・VRANZ の瑞木黄生さんのページ
Comiket 50(1996年夏; 最初の有明)のカタログをめくっていて、その瑞々しく
透き通った繊細なサークルカットに心惹かれて立ち寄ったのが最初です。
ちなみにこの回がコミケ3回目の参加で、初めてまともにカタログ読んでから
行った回です(カタログ買ったのは2回目)。
毎年イラストをあしらった画集を出していらっしゃって、毎回違った趣向の
世界観を持った世界が描かれています。絵の一枚一枚の奥にお話が見えてくる
ようで、飽きません。
またそれとは別にたまに描かれるかぶりものシリーズ(猫が多いですね)もかわ
いらしくて大好きです。去年は猫のかぶりものから顔だけ出して、ぶたまんを
食べているという絵を描かれておりました。私のお気に入りです。
- Sally Gardens
- サークル Sally Gardens の紺野キタさんのページ
商業誌にも描いてらっしゃるのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
コミック Fantasy (偕成社)という雑誌で「ひみつの階段」を連載されていま
した。私はとある webBBS
で、わかつきめぐみさんが好きなら、紺野キタさんも好きでしょう、と勧めら
れていたのを目にして手に取ったのが最初です。今でも神保町の書泉ブックマー
ト3階レジ前の棚で、ひみつの階段(1)の表紙を目の前にして頭が真っ白になっ
た瞬間を覚えています。心の琴線をがびがびと掻き鳴らすほどの素敵な表紙に
完全に敗北して今に至っています。絵がきれいとか好みとか、そういう次元を
超越した部分で吸い寄せられるような表紙でした。もちろんお話の内容もそれ
に劣らず素敵な内容でした。
あんまり主観的な話ばかり書いてもしょうがないのですが、同人誌の方は
ひみつの階段とはまた違った作風で、よりメルヘン風な印象を受けます。どっ
ちが好きか、といわれると難しいところですが、あなたはどちらが好きですか?
と返そうと思います。
- カネハル
- カネハルは夢路行さんの(個人)サークルです。
ぶーけとか、きららせーずとかの商業誌で活躍していた作家さんです。でも
最近はあんまりみかけないですね……。
読み始めたきっかけはあんまり良く覚えてないのですが、たしか
わかつきめぐみメーリングリストで薦められたんじゃなかったかと思い
ます。読み始めたのが 1998 年の秋頃なので、単行本ももう手に入りづらくて
3冊しか読んだことないのですが、まぁここは同人のページなので、そっちは
おいとくとして、
Comiket 56(1999年夏)で5回に渡って連載(?)されていた夏清(宛て字)祭が完結
しました。それほど商業誌作品との雰囲気の違いは感じませんが、何気なく
書かれている一コマにも暖かみがある、というような印象を私は持っています。
突発で作られたらしい A8 サイズぐらい・32ページの「白太郎物語」を読んで
も、確かな描線の暖かさを感じます。
関連URL: 空想風景 夢路行ページ
雪待月(いわみゆうこ)
- 雪待月は、いわみゆうこさんの個人サークルです。
雪待月の本は、創作ストーリーものはそんなに多くなくて、旅行記やエッセイ
+挿絵といった形態が多いのですが、その絵がなんともかわいいのです。これ
ばっかりはみて頂くのが一番いいと思うので、あまり解説はしてもしょうが
ないかなぁ、と思います(手を抜いているわけじゃないんですが)。
Comiket 55(1998年冬)では、以前の発行物を PDF にした CD-ROM を売ってい
ました。再販するよりも、その方が安いんでしょうねぇ……。ちょっと複雑な
気持ちです。
Comiket 56(1999年夏)は参加されておらず、COMITIA49(1999年夏)のみの参加
のようですが、COMITIA でお話を伺ったところ、忙しくて申し込めなかったと
おっしゃっられていました。冬コミは結果待ちだそうです。
Woody-RINN / [ R's ] - Rinn's page on the web.
- 1990年頃、月刊ASCIIを読んでいた人なら、Woody-RINN さんのお名前をご存知
だと思います。去年の冬コミ前、修論で煮詰まっていた時にたまたまこのペー
ジを見つけて、あ、まだご活躍しているのね、と約7年間のブランクを置いて、
再びファンになってしまいました。大学の始めの方はフロッピーに入れて持ち
歩いて勝手に壁紙にしていたほど好きだったのです、実は。
コミケでは、「まぐまぐ工房」
というサークル名で参加されています。でも
夏コミだと少女創作とは日が違うので、行きづらいんですよねぇ。
ところで葉書を声に出して読むのは恥ずかしいのでやめてください (^_^;
> Woody-RINN さま
うぐいす姉妹 / うぐいす通信
- うぐいす姉妹は TONO さんと うぐいすみつる さんの姉妹サークルです。でも
お二方とも最近は商業誌でもばりばり書かれていて、
ネムキ
(朝日ソノラマ;
隔月刊)を買うと、お二人の連載が読めます。裏表紙に連載されている「
しましまえぶりでぃ」は TONO さんが絵を描いて、みつるさんが色を Macで
塗るという合作もされているようです。
それはさておき、年三回(5月, 8月, 12月)のペースで、「身辺雑布」という
日常本を作られているのですが、これがどうということもないのですが、と
ても面白くて、いつも買いに行っています。
またお二人の本にはよく猫が出てきて、「しましまえぶりでぃ」など猫の話
だけの本もあるのですが、そういう話を読んで、結構猫が好きになりました。
それまでは猫といえば人の家の庭に勝手にトイレしにくるとか、時々やかま
しいとか、そういうだけの存在だったのですが。
そういえば紺野キタさんも TONO さんの「カルバニア物語」が好きだ、とか書
いてたな……。
- T-time
- はつかり5号さんと藻及野はづみさんのサークルです。
「職場の達人王」という職場でのネタを4コママンガにしたシリーズ本を出さ
れています。Comiket 56(1999年夏)現在26号まで出ています。特にはつかり5
号さんが書いておられる書店ネタが、もうどうしようもなく受けてしまうも
のばかりです (^_^; しかし次から次へとよくこんなにネタが尽きないなぁ、
と思うのでした(そういえば高校の時、大学受かったら本屋でバイトしたい
なぁ、と思っていたっけ)。
- はしもとさちこ
- コミケではSFジャンルで参加されています。SFを知らないと楽しめないネタも
ありますが、わかった時はSF読んでて良かった、と思います(なんて大げさな)。
ちょっと古いですけれど、「SF少女エフ子ちゃん」が一番好きです。話の筋は
悪いお友だち(エス子ちゃん)に誘われてSF大会(1993 年の DAIKON VI)に参加
するまで、というもので、実際にSF大会開催中に時刊新聞に連載されたそうで、
1回1ページ(1〜数コマ)で、後の方になるとなかなか話が進まなかったり、途
中で破綻したり、という面もあるのですが、絵に迫力があるのに、でもかわい
いという合い反するような気がする要素を合わせ持っていて、ぐぐぐっ、とひ
きこまれてしまうのです。「い、いまの青背だったわ」「なにっ」というお母
さん、お父さんの会話がいいです :-)。SF を知らなくてもきっと楽しめます。
関係ありませんが、Comiket 54 では私の当時所属していた
SF研究会アルビレ
オ(筑波大学)
がお隣のスペースでした(ほんとに関係ないな)。
- 永盛綾子
- アルビレオのネタが出たところで、アルビレオに去年まで在籍していたメンバ
の宣伝を。
Comiket 54 ではいつもの会誌の他に、「永盛綾子イラスト作品集」を発行し
ました。私はいろいろあってこの頃はもう、ごくたまに顔を出す程度の会員だっ
たのですが、彼女のイラストがこうして一冊にまとまって広くアピールできる
形にできたことは、一ファンとしてとてもうれしかったです。
アルビレオとは別にTRPGゲームサークル
TRA. で活動している彼女の絵は、
そちらでご覧になれますので、ぜひ一度どうぞ。
一言でいうと暖かみのある異世界でしょうか。ファンタジー系というか剣と魔
法的な世界のキャラクターを描かれることが多いのですが、キャラクターに愛
が注ぎこまれているような気がして、ちょっとふしぎな世界でも親しみが湧い
てしまいます。ファンタジー系の作家では、
加藤龍勇+後藤啓介
さん(加藤さんの名前が変わったらしい……)の次に私は好きです。
以下番外編です。
- コミケット
- コミックマーケットは現在は毎年夏と冬の年2回、有明(東京)のビッグサイト
で開催されています。来年(2000年)で25周年になります。1日あたり十数万の
人手があるので、3日間開催される夏は、のべ40万人が参加するイベントとな
ります。今年の冬は都知事の気まぐれのあおりを食って定位値の 12/29・30
から追い出されてしまい、全館使用が難しそうなため3日間開催となるようで
すが、おかげで土日に重なるため御用納めを気にせず参加できそうです。し
かしクリスマスに同人誌即売会というのも……、なんですね。
COMITIA
- コミティアは自主制作漫画誌展示即売会です。
初めて参加した COMITIA 48(1999年5月 TRC(東京流通センタ))では、5月の
連休というのがコミケのない時期であったこともあってか、
POW・VRANZ、Sally Gardens、雪待月、うぐいす姉妹、T-time といった上に
あげたサークルの多くが参加されていました。
今日(1999年8月29日)あった COMITIA 49(池袋サンシャインシティ文化会舘地
下特別ホール)では、夏コミ後ということで、私の好きなサークルさんは出な
いところが多いのですが、雪待月が夏コミに出ずにコミティアに参加するとい
うことなので、行ってみました。でも新刊はなかったです、しくしく。しかも
この日は 13時から IMASY(インターネット互助会横浜)の運営委員会が横浜
であったのですが、家を出るのが遅くなってしまって 20 分くらいしか見て
まわれなかったのですが、3冊ほどいい本が買えたのでらっきーでした(運営委
員会には 30 分遅刻したけど、まだ始まってなかった……。あ、別に運営委員
をしているわけではありません、まだ今のところは)。
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最終更新:
2000年06月03日20時38分