環境によって必要なインストーラへの変更

 AIX 以外の環境では、私が勝手に作った generic な日本語化キットを使うこと になるのですが、これは私が思う典型的な例が設定してあるだけですので、インストー ラが関連ファイルをインストールする先を変更したい場合もあると思います。

 インストーラはデフォルトでは 表1に示すディレクトリに リソースファイルなど関連ファイルをインストールしようとします。また bookmark.htm, nethelp も netscape がインストールされているディレクトリに上書 きする形でインストールします。
 bookmark.htm と nethelp はインストーラが場所を訊いてきますが、その他のファ イルをどこにインストールするかはあらかじめインストーラ(bourne shell スクリプ ト)に書き込まれていますので、必要であれば適宜書き換えてください。

表1: OS 別のデフォルトのインストール先
ADLOC CFGLOC MISCLOC
HP-UX /usr/lib/X11/ja_JP.eucJP/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP.eucJP/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP.eucJP/netscape
IRIX /usr/lib/X11/ja_JP.EUC/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP.EUC/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP.EUC/netscape
SunOS(Solaris) /usr/openwin/lib/locale/ja/app-defaults /usr/openwin/lib/ja/app-defaults /usr/openwin/lib/locale/ja/netscape
AIX /usr/lib/X11/ja_JP/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP/app-defaults /usr/lib/X11/ja_JP/netscape
FreeBSD などその他の OS /usr/X11R6/lib/X11/${LANG}/app-defaults /usr/lib/X11/${LANG}/app-defaults /usr/X11R6/lib/X11/${LANG}/netscape
ADLOC(Netscape)

 ADLOC はリソースファイル(Netscape)をインストールするディレクトリを 指定します。一般的な X11R6 (XFree86 含む)であれば、 /usr/X11R6/lib/X11/$LANG/app-defaults にインストールすればよいです。 $LANG のところには ja_JP.EUC (FreeBSD の場合) などが入ります。インス トーラのADLOC にそのディレクトリを指定します。あるいは root 権限がな いなど場所を指定したい時は XENVIRONMENT, XFILESEARCHPATH 環境変数など を使って場所を指定できます。ただし netscape から 呼び出すヘルパーアプ リケーションなどもこの環境変数を継承することになりますから、注意が必 要です。詳しくは リソース・リソースファイルとは を参照してください。

CFGLOC(netscape.cfg)

 CFGLOC は netscape.cfg をインストールするディレクトリを指定します。 例えば FreeBSD では、/usr/lib/X11/ja_JP.EUC/app-defaults ディレクトリ にあることが期待されています。もしここになければリソースファイルと同 じ場所で検索されます。上の ADLOC と同じディレクトリを指定するのが わかりやすいと思います。

MISCLOC(about, splash, license, plugins (mail.msg))

 MISCLOC は about など about:xxxx でアクセスされるファイルにをインス トールするディレクトリを指定します。これらのファイルはリソースファイ ル中の appDir で指定したディレクトリから探されますから、MISCLOC に指 定したディレクトリをリソースファイルの appDir でも指定する必要があり ますが、appDir はインストーラが自動的に書き換えるようにしてあります。


 ADLOC, CFGLOC, MISCLOG が決まったら、必要であればインストーラを書き換えて ください。
 install と install.ja とインストーラは 2 つありますが、どちらか使 いたい方を修正すれば十分です。端末が漢字など日本字を表示可能であれば、 install.ja を使うと日本語で案内文が表示されます。
 もしアンインストールも行なうのであれば、uninstall または uninstall.ja も同 様に書き換えてください。

 実際にどのディレクトリをプログラムが検索しているかを知る、効率のいい方法は 私は知りませんが、SunOS 4.x であれば trace、SunOS 5.x であれば truss、FreeBSD (など 4.4BSD 由来の OS 全て?) であれば ktrace 、Linux であれば strace といったシス テムコールのトレースを行なうツールを使えば、どのディレクトリを探しているかは 比較的簡単にわかると思います。

例(X11R6 が /usr/local/X11R6 にあり、netscape.cfg を Netscape と同じディレク トリにインストールする場合)
[install.ja]
case `uname` in
HP-UX)
        ADLOC="/usr/lib/X11/ja_JP.eucJP/app-defaults";
(28行省略)
	;;
esac

ADLOC="/usr/local/X11R6/lib/X11/${LANG}/app-defaults";	← 
CFGLOC=${ADLOC}						←この 3 行を追加
MISCLOC="/usr/local/X11R6/lib/X11/${LANG}/netscape";	←

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mistral@imasy.or.jp SARUMARU Yoshihiko
最終更新: 1999年06月13日21時56分