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モデルの構造

  生産力の計算には、森林の炭素循環をシミュレーションし、総一次生産量と呼吸 量から剰余生産量を求めることができる、 Oikawa (1985) の熱帯林モデル(以下 Oikawa モデルと略)を元に行なった。バイオマスは葉・幹枝・根の 3 つの部分に分けら れ、それぞれ別の生理パラメータを持ち、独立して計算される。Oikawa モデル は森林を、葉・幹枝・根の 3 部分に分けて扱っているが、草本では幹枝の部分 は無い。しかし Oikawa モデルを適用するために、草本の非同化部分を幹枝に相 当する部分として考えた(生理パラメータ 参照)。

この研究で用いたモデルの Oikawa モデルと異なる点は、計算が年単位から月 単位へ変更されたこと、気温による光合成・呼吸速度の変化および降水量による光合成速度の変化を考慮したこと、大気 CO2 濃度の変動を行なったことの 3 点である。

シミュレーションは1月単位で行ない、1年間あたりの炭素量の収支が平衡に 達するまで繰り返した。

シミュレーション用のプログラムは、C 言語で約 2000 行のプログラムを GNU C コンパイラを用いてコンパイルしたものを用いた。


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図2.1: モデルの概念図。1 カ月ごとに大気・植生・土壌有機物間のフラックスを計算し翌月 の値とする。

 

Yoshihiko OHTA
1998年1月21日